2008/06/14
溶連菌って知ってますか。溶血性連鎖球菌を略して溶連菌と言ってます。この菌による感染症はのどや扁桃腺だけでなく、中耳炎や蓄膿や皮膚の飛び火にもなったりします。体が赤くなることもあって猩紅熱と言われたこともあります。最近、というより少し前からですがこの菌による感染症がはやっています。
以前は法定伝染病で保健所への届け出が必要でした。人から人へ飛沫感染することは以前から変わっておらず、何回でも大人でも感染します。またこの菌の感染後に急性糸球体腎炎というかなりきつい腎炎やリウマチ熱になることもあると言われています。そういった合併症を予防するためには抗生物質を10日間以上飲む必要があるといわれています。
当院ではこの抗生物質にペニシリンGという抗生物質を主に使っています。なぜかといえば、他の細菌に与える影響が少ない薬で人間の体にも影響の少ないと考えるからです。ところが他の種類の抗生物質を使われる医院もあります。特に第3世代セフェムといわれる抗生物質(セフゾン、フロモックス、メイアクトなど)は溶連菌以外のいろいろな細菌にも作用するように作られた薬です。こういう上等な薬から影響を受けた菌が薬に対して耐性化(薬が効きにくくなること)してしまうことが危惧されます。つまりこういう耐性菌による感染症が起こった時に薬が効かなくなってるかもしれないということです。こういうときの感染症には溶連菌感染症よりもさらに重症な時も含まれます。
溶連菌は何回も再発することもありますし、5日間でも菌が耐性化することもあり得ますので、当院ではバイシリンGを10日間飲んでもらっています。