2008/12/08
「ヒブワクチン」のヒブとはB型インフルエンザ桿菌のことです。B型という種類のきょう膜(細菌を覆っている膜)をもったインフルエンザ桿菌のことです。インフルエンザ桿菌は中耳炎や副鼻腔炎などを起こしますが、その場合はB型というきょう膜を持っていない無きょう膜型です。B型は髄膜炎や喉頭蓋炎を引き起こす細菌です。髄膜炎になると後遺症が残ったり、最悪の場合亡くなることもあります。喉頭蓋炎は急な発熱とともに呼吸困難を呈し、息が吸えなくなる恐ろしい病気です。
年長児はこの細菌のきょう膜に対する抗体を作れるために重症化する可能性はかなり減り、2、3歳くらいまでは上記のような重症感染症を起こすことがあるなど、年齢によって重症度がちがうためにワクチン接種の仕方も年齢により変わります。生後7カ月未満は三種混合と同じように初回3回と追加1回で、7カ月以上12カ月未満は初回2回と追加1回、1歳以上5歳未満は1回のみの接種となっています。
海外に比べて日本人に発症する比率が少ないためか、これまで「ヒブワクチン」の日本への導入が遅れていました。アフリカの経済状況の悪い一部の国や北朝鮮などを除いた世界のほとんどの国でこのワクチンは公費で接種されています。12月19日からやっと日本でもこのワクチンを打てることになりましたが、輸入される本数が少ないため希望者全員に打てるわけではありません。製薬会社に申し込んでそのうちの一部の人が接種できます。費用も決して安くはありませんが、まだ三種混合を始めていない乳児をお持ちの方はなるべく申し込んでください。