浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

タミフル

タミフルとはインフルエンザウイルスの増殖を抑制する薬で、インフルエンザの治療薬として主に日本で多く使われています。日本は世界のタミフルの70%を消費していると言われています。タミフルで問題となったのは小児の異常行動を誘発すると疑われたことです。これは今年になり関係が無いという結論になりそうですが、それでも10歳代の子供には使用できません。もう一つの問題はタミフルが効かないウイルス(タミフル耐性ウイルス)の増加です。世界各地や日本でもタミフル耐性のあるインフルエンザウイルスが発見されています。世界の70%のタミフルを使う日本の方が他の国に比べて耐性化の比率が低いのはなぜかという疑問は残ります。しかし、タミフルが使用されるまではこうした耐性ウイルスは存在しなかったですので、タミフルのせいでタミフル耐性ウイルスがこの世に発生してしまったと考えるべきでしょう。

新型インフルエンザの流行が心配されています。そのためのタミフルの備蓄が進みつつあります。しかしそれはあくまでも新型インフルエンザにタミフルが有効と信じてのことです。今の日本は、「インフルエンザにはタミフル」ということが常識化してしまうほど使われています。そういった環境で発生した新型インフルエンザに、タミフルが効くのでしょうか。

現在はやっているインフルエンザはタミフルが無くとも自然治癒します。タミフルを使うと熱の期間が一日半ほど短くなると言われています。老人や心臓や肺に病気を持っている人には、タミフルを使ってでもなるべく体の負担を減らしてあげた方が良いでしょう。何も病気を持っていない元気な子供にはなるべく使わない方が今後のためではないでしょうか。インフルエンザにかかっても結構元気な人や、あっという間に熱が下がってしまう人もいますよ。医者もタミフルを使う症例をもう少し選ぶべきでしょうし、患者さん側ももう少し冷静になって考えてみてはどうでしょうか。