浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

経口補水液

寒い季節になるとノロやロタなどのウイルスによる急性腸炎がはやります。ノロの腸炎は発症してから半日ほど吐き続けることが多いですが、熱はあまり出ず下痢も2、3日で治まります。ロタは熱も高くなり激しい下痢が数日続きます。ほとんどの子供は点滴が必要となるような脱水にはならずに済みますが、経口補水液という特殊なイオン水を飲むことで点滴の必要性はさらに減ります。点滴は水分を直接血管に入れますので心臓や腎臓に負担になりますが、経口補水液は飲んでも必要のない水分は吸収されませんので負担になりません。

経口補水液とポカリスエットやアクエリアスとの違いは成分として含まれる電解質(ナトリウムやカリウムなど)と糖分の量です。経口補水液は電解質(特にナトリウム)が多く、糖分は少なめです。吐いたり下痢をすると電解質(特にナトリウム)が体から出ていきますので、さらに元気がなくなります。

吐いている時でもスプーン1杯や一口くらいの水分なら吐かずに済みます。吐き始めからすぐに経口補水液をスプーン1杯ずつ5分おきに飲ませてあげると早く元気になります。量の目安としては1日で体重1キロあたり30~50ccです(体重10キロなら300~500cc)。水やお茶やポカリスエットなどに比べると体への吸収に優れます。

経口補水液は当院ではソリタT2顆粒として処方していますが、それと同じ成分として大塚製薬のOS-1が薬局で売られています。ポカリスェットなどに比べると甘みも少なく塩分も多いですので美味しくありません。飲んでくれない時はもう少し塩分の少ないアクアライトORSやソリタT3顆粒がありますが、体から塩分が奪われた状態の時は塩水でも甘く感じますので、飲んでくれないというのは逆に体の電解質に異常が無いということでしょう。アクアライトORSは西松屋で売られていますが、当院の近所の処方箋薬局にも置いています(OS-1も)。