浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

子供の言語理解の限界

1歳半にもなると「…を取ってきて。」とか子供に指示するとそれを取ってきてくれたりします。子供の言語理解が進んできたなとお母さんは期待します。簡単な言葉ならもう理解できるはずと思ってしまい、「これはダメよ。」「・・・はしてはいけません」のように子供を叱ると言うことを聞いてくれるのではと期待します。子供もいかにも解ったかのような顔をしながらお母さんの言ってることを聞いています。しかし、実際はダメと言ったことなのに子供はまた繰り返しています。

言語理解がまだ不十分というのも原因の一つです。3歳くらいでもまだ十分とは言えません。お母さんが叱っている迫力に圧倒されてウンウンとうなずきながらお母さんの言ってることを聞いていますが、それを十分理解したと勘違いしないことです。

やりたいことがあっても、「この間これをやってお母さんに叱られたから今度は止めよう。」とか「これをやったらまたお母さんに叱られるから止めよう。」など過去や未来のことを思い描いて自分の心の中と相談しながら行動を抑制することをセルフコントロールと言いますが、これがお母さんに怒られずにすむ程度にまで発達するのは5歳くらいからです。それまでの年齢の子供はお母さんの言ってることは仮に解っていたとしても「やりたい」という自分の欲求は抑制できないのです。

叱っても叱り損だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。人に迷惑のかかることや危険なことはしっかりと指示して止めさせないといけません。ただその時に「これだけ叱ったらもう次はしないだろう。」と期待しないことです。期待すれば裏切られた時に腹が立ちます。子供に指示するときには、何度も同じことを言い続けないと言うことは聞いてくれないのだと最初から思っておくことです。腹を立てて子供を叱ると、子供は恐怖感で余計にお母さんが何を言ってるのか解らなくなってしまいますし、叱るのも叱られるのも誰でも嫌なものです。