2008/07/31
保健センターの健診で見るお母さんの悩み事の一つが「子供の食が細い」「食べた物がいつまでも口の中に残っている」「食べ物に興味がない」といった子供があまり食べてくれないことです。用意したご飯やおかずを残さずきれいに平らげてくれたらお母さんはうれしいですよね。食べてもらえないとどこか体が悪いのではないかとか、ご飯の作り方が悪くて子供の口に合わなかったのかとかいろいろ考えてしまいます。子供に何か食べさそうとするお母さんの努力や工夫は親子関係にとって大切ですが、お母さんの悩みの種になってしまうのは考えすぎていると思います。
子供が元気であって体重が減っていくわけでなければ、食べないことはあまり心配ありません。元気ならば元気を維持するための必要最低限は食べているのです。
お母さん方は子供が食べないのは私のせいだと自分を責めていませんか。努力も工夫ももう十分したと思われるのならば、ちょっと肩の力を抜いてみましょう。そもそも食欲は人間が生きていく上で大事な本能です。「食べる」ことは食欲を満たす楽しいことのはずです。子供に食べさそうと一生懸命ご飯を作り、さあ今日は食べてくれるかなと期待と不安が入り交じった視線で子供をじっと見つめる。そのような食事の場面を思い描いてください。硬い雰囲気がしてあまり楽しそうではありませんね。子供もあまり期待されるとプレッシャーを感じるかもしれません。欲を満たす本能のはずの「食べる」ことが「食べないといけない」と考えることになってしまいます。「食べる」ことが欲求を満たす楽しいことと子供が感じるには、まずお母さん自身が楽しんで食事をして、食事とは楽しいことなんだと子供に興味を持たせることです。「食べない」子供のお母さんは買い物に行ってもまず子供のメニューを考えてしまいますが、今日からは自分が食べたい物を最優先にしましょう。お母さんがおいしそうに楽しく食事をしていたら、子供も食事に興味を持ってお母さんの食べているものに手を伸ばしてくるかもしれません。
元気な人間はお腹が空けば何か食べます。偏食への対応はまた後日。